革財布のMIKATA編集部です。
革製品と言えばエイジングという経年変化が楽しめることで有名です。
今回はエイジングが楽しめる革にはどんな種類があるのかをまとめていきます。
長く革製品を使っていくと少しずつ革の様子が変わっていき楽しめるので、ぜひ革製品を購入されるならエイジングを楽しめる革を使った物を選んでみて下さい。
エイジングする革の種類
革製品なら何でもエイジングするの?と疑問に思うかもしれません。
実はどの革製品もエイジングするということは無いのです。
革のエイジングを楽しめる種類の必須条件は、『タンニン鞣し』であり『染料仕上げ』の革であるということ。
鞣しについて
「動物の皮から腐敗の原因となるたんぱく質や脂肪を取り除き薬品を使って皮に柔軟性や耐久性を持たせる加工技術」というものです。
この鞣しには植物タンニン(渋)を使用したタンニン鞣し、クロム化合物を使用したクロム鞣しの2種類があります。
自然由来の植物タンニンで鞣されたタンニン鞣しのレザーがエイジングする革となります。
クロム鞣しの革はエイジングせずに色の変化やツヤの変化は楽しめないため、エイジングをしたいという場合は選ばないようにしましょう。
染料について
革のエイジングには植物タンニン鞣しの他に染料仕上げという条件もあります。
ほとんどの革製品には色がついていることが多いと思いますが、この着色方法には2種類あります。
染料仕上げとは、染料を溶かした水に革を漬けて繊維の間に染料を染み込ませて染める手法。
顔料仕上げとは、革の表面に水分・油分に強い顔料を乗せていく手法。
自然な風合いが楽しめるのが染料仕上げで、革に染み込んだ染料が時間と共に変色していく過程がエイジングとなります。
このため、革のエイジングを楽しむには『タンニン鞣し』と『染料仕上げ』の革を選ぶ必要があります。
それではエイジングする革の代表的な種類を簡単にご紹介します。
オイルレザー

エイジングする革の種類で有名なのがこちらのオイルレザー。
タンニン鞣しの工程で革にオイルを染み込ませて、革をしなやかにして柔軟性や耐久力をアップさせた革です。
しっとりとした触り心地で程よい光沢があるのも特徴。
エイジングと言えばオイルレザーというくらいの革なので、まずはエイジングを楽しみたい!という場合ならまずは使っておきたい革です。
ヌメ革

オイルレザーと並んで有名なエイジングする革がヌメ革。
こちらも植物由来のタンニンをピット層鞣しという工程で鞣した革ですが、オイルを入れたり塗装や着色加工も行っておりません。
使われているのは牛革です。
沢山ある革の中でも最も革らしい雰囲気があることから、革の中の革と呼ばれます。
革本来の自然ない風合いを楽しめるということでファンも多く、扱いやすくエイジングも楽しみやすい革です。
コードバン

革の中でも最高級といわれるのがこちらのコードバン。
馬革の中でもきめ細やかで美しいツヤが出る馬のお尻部分の革を使っており、コードバンが使われた革財布やレザーバッグはかなり綺麗で上品さがあります。
希少な部分の革であり、傷をつけずに削り出す高い技術が必要ということもあり高価な革になります。
このコードバンもエイジングをすることでより綺麗なツヤが出てまるで宝石のような仕上がりになります。
ブライドルレザー

馬具用に作られたのがブライドルレザー。
素材は牛革を使われており、木のように硬い質感で堅牢な革で耐久性に優れている革です。
ブライドルレザーは革の表面にブルームという模様の様なものが浮き出ており、それが徐々に革に浸透することで色に深みが増していきます。
使えば使い込むほどブルームの様子が変わっていくためオイルレザーやヌメ革のエイジングとは一味違った経年変化を楽しめます。
ブッテーロ

ブッテーロレザーとは、イタリア・トスカーナ州に拠点を置く老舗タンナー「ワルピエ社」にて生産されている革を指します。
使われている革は牛革で、成牛のショルダー部分の硬い部分を使っています。
なかなか希少な部位でハリのあるマットな表情が特徴です。
綺麗な発色も特徴で、定番のブラックやキャメル以外にもグリーンやレッドの革も人気のエイジングするレザーです。
エイジングが進むにつれて徐々に濃い色になっていくため、その色の変化に魅せられたファンも多い革です。
ミネルバ

ミネルバレザーとは牛脚油を染み込ませたオイルレザーのことを指します。
バケッタ製法と呼ばれる伝統的な革の鞣し方で作られた革で、ビビットな色味から深みのある色味へと変化していき、革の劇的な変化を楽しめるのが特徴。
オイルがたっぷり含まれており基本的にはメンテナンスいらずで長く使え、徐々に油分が内部から表面に出てきてツヤが増し、色の変化もあることでとても綺麗で美しいエイジングが楽しめます。
プエブロ

プエブロレザーとは、イタリアのトスカーナ州にある「バダラッシ・カルロ社」 により生産された、生後2年以上の雌牛の革を使いバケッタ製法によって作られた革です。
植物タンニンで鞣した後に牛脚油をじっくりと時間をかけ浸透させて作られています。
柔軟性と強度が特徴でなめらかな手触りも特徴です。
他の革に比べて早くエイジングしてはっきりと目で見てわかる変化を楽しめます。
エイジングする革の種類まとめ
以上がエイジングを楽しめる革の種類でした。
今回、栃木レザーなどまだまだ紹介しきれていない革もあります。
革製品を購入する際に見た目ではなかなか分からないものも多いですが、商品名に革の種類が含まれていることもあります。
経年変化しない革財布やレザーバッグもたくさん存在するため、革製品を選ぶ時にはエイジングも加味して選んでみて下さい。
長く使える革製品をエイジングも合わせて楽しんでみて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。